見えない異変
時計を見た。

まだ電話をしてから2分しか経ってない。

相変わらず美帆は正気を取り戻してはいない。

手持ち無沙汰なこの時間、他にやることもなく、美帆に話しかけることにした。

正直、どう接していいのか分からず戸惑っていた。

何を言ってもまともな会話は望めそうにない。

取りあえず、夏に不釣り合いな上着を着た。

これで美帆が怖がっている左腕を隠すことができる。

美帆は少し落ち着きを取り戻したよつだった。

大丈夫?

返事はない。

何か飲む?

今度は放心状態になっているようだ。

力なく床にへたりこんでいる。
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