その男、危険につき ~BGM アラフォー懐かしver~
十戒

ちりんちりん

定刻通りの自転車のベルが鳴った朝、
女は駅に向かい、既に通りを歩いていた。

いつもより1本早い電車に乗っただけだが
混み具合が軽減されている。

何となく落ち着かず早めに家を出てみたが、
良く晴れて空も高く、
なかなか気持ちが良かった。

こんな感じ、久しぶり。女は思った。


この3ヶ月、あのポーチを拾ってから
毎日がふわふわと、どこか綿雪を踏みしめているようだった。

加えてここしばらくの間、毎日続く、
脅迫ともとれる男からの妙な電話。

不安で怖くて仕方がなかった。

だが、それも過去の話。


決着をつけると、
腹を決めた女は強かった。
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