その男、危険につき ~BGM アラフォー懐かしver~
はじまりはいつも雨
朝からどんよりと雲が降りてきて
少し寒気を覚えるくらいの気温の中、
一人の女が洗面所でせっせ、せっせと
身支度を整えている。
『あーん8時だ、ダメ遅れちゃう』
窓の外から、自転車のベルの音が
ちりんちりんと響いているのを聞いて、焦りだす。
乗っているおじいさんが
常に時計のような正確な時刻に
通りかかることを知ったのは、いつ頃だっただろうか。
最後に髪の毛をとかしあげると
急いで玄関を飛び出して行った。