王子様は13歳
「実は、友人に遊園地の券をもらったんだ。 できれば…その、神崎さんと行きたいなって思って」


顔を真っ赤にして恥ずかしそうに頭をかく多川さん。


デ、デート…。
私もつられて顔が真っ赤になる。


「い、嫌ならいいんだ! 遊園地なんて子供っぽくて嫌だよね?」


「そ、そんな事ないです! 今でも家族と行ったりしますから!」


「家族と?」


多川さんは目をパチクリさせて私を見た。
この年で家族と遊園地行くのは私だけなのか?と思ってしまった。


「えっと、隣の家の男の子が中学はいったばかりで! その子も交えて一緒に行くんです」


な、なんか言いわけくさい?


「そうなんだ。 弟みたいなもんなんだね」


弟みたい…なのかな。
そう、だよね。


「実は、4枚あるんだ。 もしよかったら、その子も一緒に…」


「へ? いいんですか?」


知らない子なのに?
私は首を傾げた。


「神崎さんの弟さんみたいな存在の子だったら、仲良くしてみたいから」


…う。
これって。


この台詞って。


「俺…神崎さんの事が好きなんだ」


…………


…えええええ!!


ま、まじで?
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