王子様は13歳
「なんか、留貴…いじわるだね」


「そう? 俺はまだ子供だしね」


子供は関係ない!


まあ、いつも留貴にはお世話になってるんだし…今日くらいは…と我慢してみる。
だって、私のためにやってくれてる事だし…。





「今日は楽しかったよ、また遊ぼうね」


遊園地でたくさん遊んだあと、多川さんはそう言って違う方面の電車に乗っていった。


留貴と私で美保ちゃんを送っていって、二人で家まで帰る。


「今日はありがとね、留貴」


「なにが?」


「付き合ってくれて」


「…別に」


「楽しくなかった? もしかして」


「うん」


…がーん……。


まじで?


「多川さんはいい人だと思うけど…。 多分、まどかには合わないよ」


スタスタと私の前を歩く留貴。


「なんで?」


「まどかの世話ができるのは、おれだけだから」


…なにそれ。
人をペットみたいに。


「もしかして、ヤキモチ?」


私がそう言うと、留貴は動かしていた足をピタリと止めた。


「…悪い?」


留貴は振り向かず、そう言った。
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