王子様は13歳
中学に入ってからは、留貴はみるみる大人っぽくなっていった。
中学生って、こんなに成長するもんだっけ?と思った。


身長は、小5から小6にかけてけっこう伸びたのに、まだ伸びてるみたい。
小さいほうが可愛いのに、と言ったら、怒られた覚えがある。


今、留貴の部屋で、そんな事を思う。


「ねえ、留貴はいつから私の事好きだったの?」


とか、聞いてみる。


「さあ? 覚えてない」


「けっこう前って事?」


うーん、と留貴は腕を組んで、考え込んだ。


「会う前からかも」


私は飲んでいた麦茶を吐き出した。


「何やってんの!?」


「いや、なんか留貴がサムイ事言ってるなーって思って。 なに? 前世からって事?」


「違うよ。 親達に、まどかの話をされた時からって事だよ。 俺はまどかがどんな人か気になって、玄関でずっと、帰りを待ってたんだ」


そんな昔の事、覚えてるんだ。
私は3歳の頃の記憶なんて、ほとんどっていうか、ほぼ無いからなあ。


「で、留貴はなにしてんの?」


「予習・復習だよ」


「あー! 頭痛くなってきた!」


真面目なのはいい事だけどさ、そんなに勉強して、疲れないのかな。
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