王子様は13歳
若作りしたって、留貴と同じ年には見れないし、純粋そうな格好は止めとこう。


セクシーな格好も、大人っぽい格好も、私には似合わない。


このあいだ買ったワンピース、着たかったんだ~!
と、ワンピースを手にとる。


化粧して、髪も巻いて。
うん、バッチリ。


家を出ると、留貴が待っていた。


「お。 いいじゃん」


と、淡泊に答える留貴。


「いつもと違って化粧してるし、髪も巻いてるし」


いつもは部屋着ですっぴん。
おまけに髪の毛ボサボサだしね。


「いつものまどかの方が好きだけど」


「そ、そう?」


なんか、正直に言われると照れてしまう。


落ち着け、私!
相手は留貴なんだから。


私と留貴は、買い物に行く事にした。
ここから少し遠くの、デパートまで。


私の車に留貴を乗せると、留貴が不機嫌そうにしていた。


「どうしたの?」


「あと5年、あと5年…」


ああ。
私じゃなくて、自分が運転したかったんだ。


可愛いな、留貴って。
と思って笑ったら、留貴に怒られた。
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