王子様は13歳
「あ! 最上階で地域限定名産品が売ってるみたい! 行こう、留貴!」


「いいね、面白そう」


と、一番最初に最上階に向かう。


人気のコーナーなのか、人がやけに多かった。


「うわ~…。 美味しそうなスイーツもいっぱい…」


と、目を輝かせる。


チーズケーキもいいけど、シュークリームもいいなあ。
あ!チョコチップスも食べたい!


「まどか、ちょっと落ち着いたら?」


「だって、どれも欲しいんだもん!」


「食いものばっかじゃん。 太るよ」


……う。


確かに最近、食べばっかりだけど。
でも、食べたいんだから仕方ないじゃん!


「あ! 留貴!! ソフトクリーム食べよう!!」


強引に留貴を引っ張って、ソフトクリームを頼んだ。
私がチョコで、留貴がバニラ。


「うわー! おいしそー!!」


チョコソフトにがぶりとかぶりつき、幸せを感じる。


「そんなに美味いの?」


「うん! 食べる?」


…って、あ!
それって、間接キスなんじゃ…。


なんて思ってる隙に、留貴は、私のチョコソフトをぺろりと舐めた。


「うん、美味い」


顔を真っ赤にする私。
なななな、なんでこんな事で赤くなってるんだろ!


「ふ、二つとも、留貴が食べちゃって!」


「ふたつも? お腹こわすって」


「だだだ、だって」


間接キスを意識してるなんて…言えない。
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