王子様は13歳
本棚に入っていた、新しいっぽい少年漫画を、ベッドでゴロゴロ読んでいた。


留貴は、一人で宿題をやっている。
私は留貴の背中を見た。


あれ?留貴の背中って、こんな大きかったっけ?


ボーッと見てると、留貴が振り返った。


「あのさ」


ビクッとして、跳ね上がった。


「は、はい?」


「答え合わせしてくれる? 後ろに答え載ってるから」


「え? 答え載ってるならうつせばいいのに」


「それじゃやった事にならないだろ」


そ、そうですね…。
私は答えと、留貴の書いたものと比べる。


「あってる! すごーい!!」


「じゃ、次は国語」


「まだあんのー!」




…………。


パチリ、と目を開ける。
あれ?私寝ちゃったのか。


どんだけ自由なんだよ、と自分でため息をつく。


部屋には留貴がいない。
もう宿題終わったのかな?


そう思ってると、ガチャ、と部屋のドアが開いた。


「そろそろ起きると思って。 はい、これ」


そう言って渡されたのがスポーツドリンク。
目覚めは、やっぱこれよね!


「ありがとー!」


勢いよく、グビグビと飲んだ。
< 5 / 31 >

この作品をシェア

pagetop