王子様は13歳
「そうだ、宿題。 終わったの?」


スポーツドリンクを飲み終えたあと、そう言うと留貴は頷いた。


「おかげ様で」


「え、なんもしてないけど」


「寝といてくれてはかどった」


「あはは、やっぱり?」


私は頭をかいて、えへへと笑った。


「そういえば、留貴って学校ではモテてるんじゃないのー?」


「なに、イキナリ」


「ん? なんとなく」


だって、顔は可愛いし。
たぶん、成長したら、かっこよくなるよ、これ。


髪は黒髪でサラサラ。


「なんか、王子様みたい」


そう言うと、留貴は眉をひそめた。


「まどかは? 会社でモテてないの?」


「モテないよー。 モテたいけどね」


ははっ、と笑うとインターフォンが鳴った。


「お客さんかな? 帰るね」


「いいよ、別に」


そう言って下に降りていく留貴のあとをついていく。
玄関を開けると、可愛い女の子がそこに立っていた。


まるで、お姫様のような。


まさか、留貴のガールフレンド!?
私はジーッと、その子をみつめた。
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