私ノ夢物語〜短編集〜

ふと,1つの花を見ていたら…

ーードクンッ!!

「ぐっ!」

胸が苦しくなった。

「…っは!…くっ……ゲホッ」

駄目だ……ここじゃ,近藤さんも土方さんも居るから迷惑になっちまう。

「……っ……」

歩くのが少しきつい。

立っているのがやっとで足元がふらついている。

部屋に入ると襖を閉めて,なるべく声を殺して苦しんでいた。

「……っ……っは……かはっ……ゲホッ……」

「沖田さん…!?」

「舞花……ちゃん……ゲホッ……」

血が出てくる。

ポタポタ……

「沖田さん!大丈夫ですか!?」

「ゲホッ……ゴホッ……」

「……っ……血……ですか……?」

「駄目……だよ……!……ゲホッゴホッ」

「駄目です!血を飲まないと…!!」

涙を溜めてそんなに必死にならなくても良いじゃない

僕は生きてるだけで幸せなんだから。

「僕は……君を……傷付け……たくは……無いんだ」

「……っでも!」

「分かった……飲めば……良いんだね……?」

「はい……」

舞花ちゃんは安堵して僕に腕を伸ばす。

小太刀で少し切って血を出す。

「…っぅ……」

舞花ちゃんは痛かったのか,眉間に皺を寄せていた。

「ごめんね」

< 17 / 45 >

この作品をシェア

pagetop