私ノ夢物語〜短編集〜
ふと,1つの花を見ていたら…
ーードクンッ!!
「ぐっ!」
胸が苦しくなった。
「…っは!…くっ……ゲホッ」
駄目だ……ここじゃ,近藤さんも土方さんも居るから迷惑になっちまう。
「……っ……」
歩くのが少しきつい。
立っているのがやっとで足元がふらついている。
部屋に入ると襖を閉めて,なるべく声を殺して苦しんでいた。
「……っ……っは……かはっ……ゲホッ……」
「沖田さん…!?」
「舞花……ちゃん……ゲホッ……」
血が出てくる。
ポタポタ……
「沖田さん!大丈夫ですか!?」
「ゲホッ……ゴホッ……」
「……っ……血……ですか……?」
「駄目……だよ……!……ゲホッゴホッ」
「駄目です!血を飲まないと…!!」
涙を溜めてそんなに必死にならなくても良いじゃない
僕は生きてるだけで幸せなんだから。
「僕は……君を……傷付け……たくは……無いんだ」
「……っでも!」
「分かった……飲めば……良いんだね……?」
「はい……」
舞花ちゃんは安堵して僕に腕を伸ばす。
小太刀で少し切って血を出す。
「…っぅ……」
舞花ちゃんは痛かったのか,眉間に皺を寄せていた。
「ごめんね」