私ノ夢物語〜短編集〜
沖田side
短くなった髪に,まだ着慣れない洋装。
僕は夜の街を歩いている。
昼の街は賑わっているけど,夜の街は静かで何が起きるか分からない。
夜の街は辻斬りや斬り合いが起こりやすくて,何処に行っても危険なのだ。
その中に僕は居る。
僕には刀がある限り,生きていく意味がある。
刀があるからこそ,大事な人達を守れる事が出来る。
近藤さん,土方さん,山南さん,左之さん,新八さん,平助,一君,そして…
ー舞花ちゃん
皆を守るのが僕の役目。
そうでしょ?
前方に見える新政府軍の奴等。
「あれは間違いなく土方だ」
「今すぐにでも殺すか」
「あぁ,そうすれば新選組は終わるだろう」
「近藤は四月に亡くなって,土方が居なくなると新選組の頭が居なくなるからな……丁度良いだろう」
「野郎共,行くぞ」
幕府軍の新選組を殺ろうとしているのだろう。
…そんな事,僕がさせない。
新選組を,大事な人達を潰すなんて……僕が許さない。