私ノ夢物語〜短編集〜
新政府軍の奴等は僕がやられてると思っている。
僕はニヤリと笑い,姿を変える。
白い髪に赤く燃える瞳。
月明かりで照らされるその姿は
ー狂乱した鬼の如く。
僕はただ,目の前にいる新政府軍の一人を斬った。
僕が只者では無いと言うのはもう分かったのだろう。
「貴様は一体何者だ!!」
新政府軍の一人がそう言った。
僕は構えて,名乗った。
「新選組一番組組長沖田総司!!」
これが最後だから,力を使い切ってみせるさ。
長靴が地面を強く蹴る。
僕に向かってくる銃声。
パァンッパァンッ!
銃の玉を受けても,掠って怪我をしても,すぐに治るから気にせずに立ち向かう。
ザシュッザシュッ
刀を振る事に夢中になる。
でも,僕は血に狂う羅刹では無い。
僕はただ,この先には行かせない為に,この先に居る大切な人達を守る為に刀を振るう。
例え,『化け物』だと言われようとも容赦無く,刀を振るうだろう。
大切な人達を守る位ならこの命だって惜しくない。
大切な人達の光を奪って闇を見せると言うならば,僕は光を奪って闇を見せた奴等を斬って,僕が代わりに光を見せる。