私ノ夢物語〜短編集〜
彼女や新選組の皆の中に絶えず雨が降るなら,僕がその雨雲を斬ってあげよう。
「ゲホッ…コホッ…」
ピチャッ…
僕の吐血と新政府軍の奴等の血で,地面が赤く染まっていく。
そろそろ限界が来ている。
「はぁぁぁぁああっ!!」
ザシュッザシュッ
役立たずで終わりたくない。
近藤さんの為に…新選組の為に,僕は刀を降り続けるんだ!!
新選組の刀の僕が役立たずじゃ駄目だから限界が来ても刀を振るう事は止めない。
「はぁはぁ…っ…ここから先は…絶対に…行かせない……っ……!」
清光を握り直して敵に突っ込む。
これで皆が救えるならば僕は…どうなったって良い…。
近藤さんを…新選組を救えるなら,僕は間違った道でも喜んで歩む。
敵が全員死んだ後,僕は敵の屍の真ん中に立っている。
…もう終わったんだ……。
という事は僕はそろそろ死ぬんだ。
空を見上げると,いつもより星が悲しそうに光り輝いていた。
『沖田さん』
そう言って微笑んでいる彼女が浮かび上がる。
…君は僕の事を忘れてくれるだろうか?