私ノ夢物語〜短編集〜

答えは……忘れてはくれないだろう。

だって……君は僕の傍に走って来るでしょ?


「沖田さんっ!!」


ほら……僕の傍に走って来る………

舞花ちゃんの方を向いて微笑む。

今すぐにでも走って君を抱き締めたい。

だけど,もう無理なんだよ……。

僕は膝から崩れ落ちてその場に倒れた。

「っ!…沖田さんっ!!!」

舞花ちゃんは僕の傍に来て,僕を抱き締めている。

……なんで,そんなに泣いているのさ?

僕の代わりなんて他にも居るのに。

なんで,君は僕を想って泣いてくれるの?

「舞花……僕の名を……呼んでよ……」

この温もりをずっと……感じていたい。

「総司さん…っ……お願いだから……死なないで……」

「ねぇ舞花…」

「はい?」

「……愛してるよ」

柔らかく微笑むと抱き締め返す。

「そろそろ…限界……だ……」

「っ!嫌ですっ!!総司さんっ!!私も愛してます!!だから…死なないで下さいよ……っ……」

「生まれ変わっても…君を見つけ出すよ……そして……幸せにしてあげるから………その時まで………お別れだよ……」

「絶対ですよ!?……待ってますから……っ……」

微笑むと僕は目を閉じる。
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