私ノ夢物語〜短編集〜
「はい,皆さんの過去を少し聞いてみたいです」
ザァァァ…
少し冷たい風が吹いて彼女の綺麗な髪を靡かせる。
「そっか…じゃあ,少しお邪魔しようか」
「そうですね」
「すみません!」
「はーい,どなたですか…って沖田さんじゃない!」
「周斎先生の奥さんじゃないですか!元気でしたか?」
あれから何年か経っているから凄く歳を感じる。
「えぇ!でも旦那様は……」
「……それは辛いでしょうね,近藤さんも亡くなられましたから,あの世で元気にやっているでしょう」
「そうなの…じゃあ大丈夫ね,あら?その子は?」
「初めまして,雪夜舞花と申します」
「沖田さんの彼女さんかしら?」
「えっと…その……」
「違いますよ,僕達夫婦なんです」
「まあ!そうなの!!おめでとう」
にこっと満面の笑みで祝ってくれた。
中に入れてもらい,元々皆との部屋だっただった食客部屋に通してもらった。
「本当に懐かしいなぁ……」