私ノ夢物語〜短編集〜
涙が出そうだ。
「じゃあ,皆さんとお別れした時は辛かったんじゃ?」
「うん,辛かったよ……でもさ,同時に昔の馬鹿騒ぎをしている場面を思い出してさ,思い出があれば良いかなとも思うんだよ…土方さんも一緒に馬鹿騒ぎをしてさ…凄く面白かったんだ……っ……」
「総司さん……」
「だけどさ……近藤さんが居なくなった今はどうしたら良いのか分からないんだ……あの人の傍にずっと居たかったし……あの人と最後まで戦いたかったのに……っ……最後まであの人について行きたかった……!!……近藤さん……っ……」
声を殺しながら僕は泣いた。
「総司さん……」
ぎゅっと抱き締められた。
その暖かさが心地良くて,近藤さんに似ていて……更に泣いてしまう。
「……っぅ……くそ……っ……近藤さん……っ……!」
「総司さん…大丈夫ですよ,私が居ます……必ず貴方の傍から離れませんよ……死んでも貴方の傍に居ます」
「ありがとう……舞花……」