私ノ夢物語〜短編集〜
僕はいつも1番乗りだからいつものパンを買う。
そして,屋上へと向かう。
屋上が1番落ち着くからね。
そして,皆が集まる場所としてでもあるから。
屋上の扉を開けて,さっきいた場所に戻る。
皆が来るまでの間,立ち上がって,外の景色を見ながらスマホを弄る。
屋上の扉が開くのと同時に風が強く吹き,桜吹雪の中にいる感覚になった。
ーーギィィィ……
ーーザァァァ……
僕は扉の方を向くと目を見開いた。
……だって,僕の大切な彼女が此処に居るんだもん。
「……っ!」
暫しの間,固まっていたら彼女がその綺麗な顔で笑って
「総司さん」
と呼んだ。
「……っ舞花!」
僕は彼女の所まで走ると彼女は僕の胸の中に飛び込んで来た。
一瞬驚いたがすぐに微笑んで抱き締めた。
「……総司さん,『ただいま』!」
「うん,『おかえり』」
もう何があっても君の傍から離れないよ。
そう思いながら抱き締めた。
……やっぱり君は桜が似合うね。