初夏、満天の星

私は校舎内を探し回った。
「おい!近藤、何してんだよ」
「洸輝!あんた紗羅知らない?」
「あぁ～荒井なら井立とどっか行ってた。何か職員の駐車場じゃなかったかな?」「駐車場…ありがと!」
駐車場まで全力で走った。
駐車場には、夕陽に照らされた紗羅と先生。私は勢いに急ブレーキをかけ、体育館の壁に隠れた。
先生は紗羅に何か言ってる。
「…何話てるんだろ。聞こえない」
体育館でクラブをしている部の声で先生が話ている声を妨げていた。
先生は長々と話た後、二人の間では沈黙が続いていた。
すると紗羅が口を開いた。でも何を話ているか分からなかった。
紗羅が言い終わると、先生はもの凄い勢いで紗羅に近付き、紗羅の手首をグイグイと引き寄せた。
紗羅は抵抗するが、２８歳にもなる男の力は１０代の少女には強過ぎた。
抵抗している紗羅は力尽き、コンクリートの上に泣き崩れ落ちてしまった。
これには先生も諦め駐車場から去っていった。
私はすぐさま紗羅に近付いた。
「紗羅…紗羅!」
「ぐぅ～う゛ぅ。怖がっだぁ～」
「どうしたの?」
「ぜんぜいがぁあ…ぜんぜいがぁあ…。強引に…」