ラブレター ~君に捧げるstory~
「あ、二谷」
今日は、あの話を、先輩に読んでもらう日。
「あの話、書けたんですけど……。
読んでもらえますか?」
「もちろん!」
笑顔で答えてくれる先輩。
この笑顔を、私だけに見せてほしい……。
……ううん、そうじゃない。
たとえそれが、私に向けられたものじゃなくても、私は先輩に笑っててほしいんだ。
こんなにも、誰かを好きになるなんて思わなかったよ。
ましてや、出会いもあんな感じで、第一印象も
最悪だったもんね。
でも、出会いがどうでも、今私は、先輩が好き。
だからこそ、これで終わりにするの。
この『ラブレター』を、先輩が読んでくれたら。
私の気持ちに、気づいてくれたら。
先輩には、好きな人と幸せになってもらう。
それだけだよ。