ラブレター ~君に捧げるstory~
「ごめんなさい……その話の内容、忘れてください。それじゃ……」
いたたまれなくて、そう言って図書室から出ようとした。
……けど。
あと一歩、ってところで、私は外には出られなかった。
だって―――。
「……え」
先輩が、私の腕を掴んでる。
強く、でもどこか、そっと。
先輩の表情をうかがおうとして、振り返った私は、先輩の腕の中に収まってしまった。
「え、ちょ……せんぱ……」
「こんな伝え方するとか……何考えてんだよ……」
「え?」
「お前は、俺を殺す気か!?//」
「は?」
いきなり離されて、先輩の顔を見ると。
びっくりするくらい、真っ赤で。
いつもの余裕そうな先輩は、どこにもいなくて。
ただただ、照れたように、床に視線を落として話している。
「お前……俺が勘違いしやすいって知ってるくせに……あの話読ませて……。
俺……あの話読んでる時、死ぬかと思うくらいドキドキしてたんだからな……//」
「え……てことは……」
先輩は、困ったように笑う。
「俺の好きな人は、お前だよ」
「っ……//」
う、嘘……。
嬉しすぎる……。
「じゃあ……
私は先輩の笑顔、ずっとそばで見ていてもいいんですか?」
私は、おそるおそる訊く。
そんな私に、先輩は、あの笑顔で笑いかけた。
「当たり前じゃん!」って。
End.