大魔法使いの孫



 【side尚】



 「ちょっ……行っちゃったし」



 俺の話を聞かないまま、小豆は行ってしまった


 サラサラな長い黒髪をなびかせて。


 小豆は冗談抜きで可愛かった


 可愛かったどころか、美少女という言葉はこの子の為にあるのかと思ったぐらい、顔が整っていた


 パッチリしたデカい目に、小さな顔、整った鼻、キスしたくなるような潤ったさくらんぼ色の唇



 全てが全て完璧に整っていた



 あんな美少女、この学校にいたかな?


 二年半近く過ごしてきたが、見たことない気がする


 「小豆…か」


 今日の俺はほんとどうかしている


 なんでこんなにも気になってしまうのだろうか


 そしてどこかで聞いたことのある、声だった気もするような…


 俺の気のせいか?



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