大魔法使いの孫



 「『千年に一度、とてつもない力をもった人が誕生す。そして、その者は人々の未来危機を助ける勇者となるであろう。杖をとり、大魔法使いとして…』ここから先は滲んでて読み取れないや」



 千年に一度、スゴイ人が現れるの?


 それってやっぱりお爺ちゃんの事だよね?


 未来の危機は分かんないけど、大魔法使いだったし


 他にないのかなぁ…


 アタシがその本を片手に他の本を探していると


 「これ…お爺ちゃんの日記じゃないの!?」


 お爺ちゃんの日記らしきものを発見した


 「なになに…『○月☓日。理恵が何者かに命を狙われている。誰だかは分からないが、命が狙われているからには護らなくてはならない。親友…拓磨の妹だから。もし、理恵が死んでしまったら、拓磨は例えようもない悲しみと絶望に襲われてしまう。そんな拓磨は俺は見たくない。例えこの命が尽きようと、拓磨の笑顔の為に護る。』



    これって…理恵さんが命を狙われてると分かった日にち…」



 お爺ちゃん、拓磨さんのことをこんなにも考えていたんだ…


 "○月☓日。俺のせいだ。俺のせいで理恵が死んでしまった。俺がもっと理恵の側にいたらこんなことにはならなかったのに。少し側を離れたすきに、やられてしまった。護れなかった。拓磨から責められても無理はない。しかし、俺は殺っていない。これだけは変わらぬ事実だ。"


 これは、理恵さんが死んだときの日記…



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