大魔法使いの孫
「俺は、お前の事が知りたい」
尚は抱きしめるのを止め、アタシの顔を見ながらそう言った
尚の顔は真剣そのものだった
「アタシの…こと?」
「あぁ」
「…ちょっとだけだよ。アタシのお母さんとお父さんはある輩に殺されたの。アタシが中一の時にね」
「殺された…?」
「うん。それでアタシ…大魔法使いになろうと思うの」
ごめん、尚…
「大魔法使いって俺と同じじゃねーか…」
「そうね」
「…じゃあ、どっちがなっても恨みっこなしだな(笑)」
…え?
「アタシのこと嫌いにならないの?」
だって、同じ大魔法使いが夢だって言ったら普通、ライバル視もするし、嫌いにだってなるじゃん…
「嫌いになる?それはねーよ(笑)」
「何で?」
「何でってそりぁー……
好きだから」