大魔法使いの孫




アタシは、渡部くんの話を無視して走りだした



 千里のことは誰よりもしってる



 だって親友なんだから


 誰よりも側でずっと見てきたんだから


 アタシが向かった場所はー…


 学校の第一教室


 この教室は他の教室よりも少し離れていて、しかも空き部屋


 この部屋が落ち着くのか、よく千里はここに来ては外の景色を眺めていた


 ーガラッ!


 「千里っ!!」


 「へ?だ、誰…?」


 案の定千里はそこにいた


 「あんたは誰…?」


 あ、そっか…


 アタシの記憶消されてたんだったね


 「えっとぉ…隣のクラスの茜。取り敢えずここは危ないから出よう!」


 「あ…かね?隣のクラスにそんな子いたっけ??」


 「えっとぉ…いたよ?(笑)」


 嘘だけど


 「ふーん…」


 千里は簡単に人には心開かないからなぁ〜


 友達になるのも結構かかったよね…(笑)


 「もぅ、学校は崩れかかってる。早く出なきゃっ」


 アタシは千里の手を掴んだ


 …が、


 「勝手に触んないで!!」


 その手を叩かれてしまった


 正直傷つく…


 けど、早くでないとほんとにヤバイ…



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