大魔法使いの孫
【sideアルリン】
「弱いですね」
強い相手を想像してましたが…
どうやら私相手となると弱く感じてしまうようだ
もう、一人で百人は倒した
「流石ですね、アルリン殿」
「強さは尋常じゃない。大魔法使い並みだ」
「いいえ、まだまだです」
確かに私は強い
けど、好きで強くなったんじゃない
生きるために強くなったのです
「まだディアン様に借りを返していません…」
生きるために人を殺めていた私に、救いの手を差し出してくれたのは紛れもなくディアン様
あの方がいなければ今の私はいません
ディアン様が死んでしまった現在、私に託されたことは茜様を守ること
茜様の指示に従うことのみです