大魔法使いの孫




 「……ん、茜っ!!?」


 あ、起きた


 「おはようっ」


 「おはよう…じゃない!いつ起きたんだ!?」



 「ん〜さっき?」


 「………ほんと良かった」



 尚はそう言うとアタシを軽く抱きしめた


 「…尚」

 
 「…俺が目を覚ました時、茜は心肺停止の重体だった。もう、助からないだろうって医者も言っていたんだ」


 そうだったんだ…


 「あれ?けど、代償は…」




 ーガラッ!


 「それは安心しなさい」


 その時、尚のお母さんとお父さんが部屋に入ってきた


「…代償は私達が分けあって受けたの」


 「なんで…」


 「今まですまなかった」


 尚のお父さん…


 「勝手に白魔法使いのせいにしていた。この罪、償わせてもらった」


 「こんな事をしても、貴方の心の悲しみは晴れないと思うけれど…」


 ………。


 「あの、そんな事はどうでも良いです。それよりアタシは…」


 きっとお爺ちゃんが一番望んでいたこと


 「二つの種族、仲良くしたいです…」


 仲直りしたい


 
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