On Your Mark
「おい、このうちのどれかは使えるんじゃないか」


レイの元に駆けつけると、移動用のジープが二台と、少し離れたところに戦車が一台あった。

襲撃を受けた跡がどの台にもあり動くかどうか分からないが、とりあえず一台ずつエンジンを掛けてみることにした。


「動いた」


一台だけエンジンが掛かり、僕たちは第四防衛ラインのジープから抜き取ってきた燃料を入れた。


「よし」


ジープで迎えに行くと、イビルは嬉しそうに飛び乗り、そのまま優しく女の子に手を差し伸べた。


「移動手段も手に入れられたし、ずっと考えてきたことを言うね。

ただ、考えが上手く纏まっていないから、分からないことがあったらはっきりと言ってほしい」


僕たちは黙って頷き、女の子も真っ直ぐこちらを見てきた。
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