On Your Mark
「あまりにも多くの航空機を国境付近に出せばユーシチールへの攻撃と誤解され、無駄な戦闘が始まってしまう。

それだけは避けたいだろうから、国境付近はそんなに多くの航空機は飛ばさないはずだよ」


というのがイビルの読みであった。


「それに国境付近にユーシチール軍がいたとしても、一機だけならば索敵と判断して、大掛かりな反撃はしてこないだろう。

だから、このまま国境付近を進路は北へ」


これがイビルの決断だった。



さすがに訓練をしていた僕にでも、この張り詰めた空気は辛い。

緊張で胸が張り裂けそうに痛い。

できれば、この緊張感が無駄になってくれればいい。



僕の手は震えていて、きっと足も震えているだろう。

声には出さないが、僕は怖い。

それは僕だけではなくイビルもレイも、ソラだって怖いはずだ。

一人だったら逃げ出すような怖さだが、四人だからこそ向かっていける。
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