もしも明日もあったなら。
日常.11
文化祭を控えた一週間前。
私は学校にプライベートなことに、と色々忙しかった。
学校に関しては文化祭。
弥生とここ最近校内を走り回っていた。
プライベートなことというのは隼人のことだった。
隼人は文化祭二日目の後夜祭で告白することに決めたようだった。
ここ数日は隼人が微妙に緊張しちゃってて、見てて面白かった。
対してゆかりはそんな隼人を奇妙に思っているらしく、私に
「隼人…頭でもぶつけたのかな…大人しすぎ……」
と心配する言葉を言っていた。
駿はそんな二人を「見てて飽きない」と言って笑っていた。
駿が心広すぎて私が泣きそうになった。
と考えられるのも束の間、今は授業中だった。
やばい。苦手な数学なのに…
まぁ、榊は指してこないと思うから大丈夫かな…と思っていると、
「よし、じゃあ問5を…花咲さん」
「!?あ、はい…」
うわぁぁぁあ、話全然聞いてなかった。しかも応用だから余計意味わからない……
ゆかりがチラッと後ろをみて私を見上げる。
その目は「大丈夫?」と聞いていた。
隼人も振り向いた、と思ったら隼人の目には「ばーか」と書いてあった。
むかつく。
駿も気付いてないし…
どうしよう…
そう思ってオロオロしてると、
後ろからノートが出てきた。
弥生の方を見ると、『貸してやる』と口ぱくで言ってきた。
その瞬間ものすごくキュンときた。
キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン……
授業が終わった。
数学の問題は弥生から借りたノートで無事過ごせた。
「貸してくれてありがとう」
お礼を言ってノートを返した。
「いや、いいよ。役に立ったなら。」
と笑顔で言った。
またそんなとこを見てキュン、としてしまった。