もしも明日もあったなら。
本鈴がなるとゆかりは、即前を向いた。
聞きたいことはいっぱいあるんだけど…
『あたし好きな人いるんだ』
そのゆかりの一言が耳から離れなかった。
もっと、もっと早く言ってくれれば良かったのに。
何で言ってくれなかったんだろう。
やっぱり言い辛かったのかな。
私が自分の相談ばかりしてるせいで……
ごめんね、ゆかり。
当然こんなことをもやもやと考えていたら授業なんて頭に入るわけもなく、またあとでゆかりにノートを借りなければいけない。
そんなゆかりの本音を聞いて、私はどうすればいいんだろう。
悩めば悩むほど、泥みたいなものに埋まってって、答えが遠くなっていく気がする。
ゆかりは私に色々してくれた。
今度は私がゆかりに恩を返す番ではないのかな。
「未来なんて、わかんないよ」
気付いたら、ぼそっと呟いていた言葉。
でもこれで、私が悩んでいた人間関係についてはほぼ完成に近い状態になった。