もしも明日もあったなら。

そっか…私にも言えない事なのか…
何だろう、すごい悲しい。

落ち込んでいる私に気付いたのか、ゆかりが気を利かせて、

「実陽、あっち行こうか?」

「うん…」

そうして私達はその場を後にした。





少し離れた場所にて、ゆかりは私に向かって

「実陽、大丈夫?」

と、聞いてくれた。

「うん…、なんとか」

「しっかし、どういうことだろうね、美雪の取り巻きには言えて実陽に言えない事って」

「私…そんなに信用ないのかな」

「あぁぁ、実陽、落ち込まないで!?ごめん、悲しませるつもりは…、あ。もしかして実陽の事じゃない?」

「え?」

「実陽の事だから言えないから、あいつに言ってたんじゃないかな?」

「でもそしたら、ゆかりに言えばいいんじゃないかな?」

「う…」

そういうとゆかりは黙ってしまった。

どうしよう、心の奥がもやもやする…。
気持ち悪い。吐きたい。あ、目眩。

薄れゆく視界の中、

「実陽!?ちょっと、実陽!!」

そう叫ぶゆかりの声と泣きそうな顔だけが残った。

そこで視界は真っ暗になった。

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