もしも明日もあったなら。
そっか…私にも言えない事なのか…
何だろう、すごい悲しい。
落ち込んでいる私に気付いたのか、ゆかりが気を利かせて、
「実陽、あっち行こうか?」
「うん…」
そうして私達はその場を後にした。
*
少し離れた場所にて、ゆかりは私に向かって
「実陽、大丈夫?」
と、聞いてくれた。
「うん…、なんとか」
「しっかし、どういうことだろうね、美雪の取り巻きには言えて実陽に言えない事って」
「私…そんなに信用ないのかな」
「あぁぁ、実陽、落ち込まないで!?ごめん、悲しませるつもりは…、あ。もしかして実陽の事じゃない?」
「え?」
「実陽の事だから言えないから、あいつに言ってたんじゃないかな?」
「でもそしたら、ゆかりに言えばいいんじゃないかな?」
「う…」
そういうとゆかりは黙ってしまった。
どうしよう、心の奥がもやもやする…。
気持ち悪い。吐きたい。あ、目眩。
薄れゆく視界の中、
「実陽!?ちょっと、実陽!!」
そう叫ぶゆかりの声と泣きそうな顔だけが残った。
そこで視界は真っ暗になった。