もしも明日もあったなら。
*
俺はゆかり達が走って行ったあと、そのあとを目で追いながら弥生と駿と話していた。
「なんであんなこと言ったんだよ、弥生。って言うか、さっきあいつと話していた内容なんだよ」
そう責めるように言ってしまった。
「は?なんで実陽あんな顔して走ってったんだ?」
…呆れた。この鈍感。
おかしい。あんなに実陽ぐらい分かりやすかったら俺でもわかる。
それは駿も思っていたらしかった。
「わからないのか?隼人の言うとおりだよ」
「逆に何でわかるんだ」
「お前なぁ…」
そうやって二人で呆れていると、
もの凄い勢いで教室のドアが開いた。
みんなはドアを思いっきり見た。
すると、今までの中で見た事のないような焦った表情で、
ゆかりが目に飛び込んできた。
「助けて!!実陽が…っ」
その言葉に早く反応したのは弥生だった。