もしも明日もあったなら。



俺はゆかり達が走って行ったあと、そのあとを目で追いながら弥生と駿と話していた。

「なんであんなこと言ったんだよ、弥生。って言うか、さっきあいつと話していた内容なんだよ」

そう責めるように言ってしまった。

「は?なんで実陽あんな顔して走ってったんだ?」

…呆れた。この鈍感。
おかしい。あんなに実陽ぐらい分かりやすかったら俺でもわかる。

それは駿も思っていたらしかった。

「わからないのか?隼人の言うとおりだよ」

「逆に何でわかるんだ」

「お前なぁ…」

そうやって二人で呆れていると、

もの凄い勢いで教室のドアが開いた。
みんなはドアを思いっきり見た。

すると、今までの中で見た事のないような焦った表情で、
ゆかりが目に飛び込んできた。

「助けて!!実陽が…っ」

その言葉に早く反応したのは弥生だった。
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