もしも明日もあったなら。

*

僕は隼人の言うことを聞き、弥生のあとを追っていった。

東側の階段を登ると、弥生がもう先にいた。

「実陽!!」

そう叫んで揺すっていた。

「弥生、そんなに花咲を揺するな」

「駿!!追ってきたのか?」

「隼人に言われて、な」

「さて、実陽どうしよう…」

花咲の方を見ると眉間にしわが寄りながら気を失っているようだった。
とりあえず、保健室に連れていかなければ。

弥生に保健室に連れていく、ということを話すと

「おれも行く」

「いや、僕だけで充分だから」

「いいからおれも行く」

「…はぁ、わかったよ」

この鈍感。
花咲が起きたら大変なことになるだろう。
その場面を想像すると笑ってしまった。

「駿、早く行くぞ」

いつの間にか花咲を抱き抱えていた弥生が立っていた。

「今行くよ」


そうして僕達は保健室へと花咲を運びに行った。

…しかし、よく弥生は花咲を、っていうか女子を抱き抱えられるよな。

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