もしも明日もあったなら。
悩み続けていると、白石さんがゆかりに向って発した。
「隼人君に近づかないでくれる?」
「はぁ?」
急な話にゆかりと私は混乱した。
いきなりこの人はなにを言っているのだろう。
「美雪あんた何言ってるの?」
我慢できなくなったのか、ゆかりは眉間にしわを寄せて言った。
「あ、べつに実陽ちゃん…ってか花咲さんはいいのよ」
「え?私だけ?」
つい言葉に出してしまった。
「えぇ。だってゆかりはムカつくけど美人だから、隼人君が奪われちゃうかもしれないでしょ?」
え、ってことは私は…
「それに比べて花咲さんは馬鹿で運動は平均並み、顔も地味。スタイルだっていいわけじゃないでしょ?そんなのを隼人君が好きになるとは到底思えないから。」
嘲笑うように白石さんは言った。
地味に納得できてしまうのが悔しかった。
全く正論すぎてなにも言い返せなかった。
悔しくて下を向いていると、
パンッ
と乾いた音がした。