もしも明日もあったなら。

「…んっ…」

私は、見慣れない白い部屋にいた。

「え、あれ、私ゆかりと喋ってたはずじゃあ…」

まだ少し痛む頭から必死に記憶を思い出すように奮闘する。


あ、確か、ゆかりと話していたら気持ち悪くなって、目眩がして倒れたんだ。

となると、私は今保健室なんだな。
ゆかりが運んできてくれたのか…重くなかったかな?いや。重かっただろうなぁ。ごめん。

すこし軋むベッドの横が引っ張られているようで、上半身を起こすと、私はその景色に息を飲んだ。


「や、弥生が…ね、寝てる!?」

思わず大きな声を出してしまった。

するとベッドのカーテンがシャッと開いて、駿が出てきた。

「あ、花咲起きた?もう大丈夫そう?」

「う、うん…大丈夫だけどこの状況なに!?」

「落ち着いて。今順を追って話すから」

そう言って駿はこと細かに出来事を教えてくれた。

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