もしも明日もあったなら。
とある日の作業時間にて。
「実陽はさー」
と弥生に声をかけられた。
「うん」
「誰が好きなの」
…!?えっ、え!?
好きな人!?な、何で弥生が急にそんなこと聞いてくるの!?
まさか…隼人!?
と思ったけど、隼人はこっちに集中するどころかゆかりと仲良さそうに喧嘩してるから、『多分』違う。
駿は…絶対ない。そんな奴じゃない。
「す、好きな人って…えっ!?」
「ん?好きな人ってか…好きなアーティストのことだけど」
「アー…ティス…ト……?」
………。
…わかってたよ?そんなオチぐらい。弥生が急に恋愛の話してくるわけないもんね。
何か悲しい………。
「そう。おれのオススメはねー、アシヤって人だな」
そう言って、サビだけ歌い出した。
…あれ、でも前、『人前で歌いたくない。仲いいやつじゃないとやだ』みたいなこと言ってたよ?
…これは少し自惚れてもいいかな…