もしも明日もあったなら。
日常.14
私は走り回っていた。
もう文化祭まで時間が無い。
「実陽ーちょっとこっちどう?」
「実陽、助けてー」
「おーい、花咲、ここおかしくないか」
…。
「ああああ、待って待って!私は一人しかいないんだからぁ!!!」
駿と約束した通り、白石さんは気にしないで過ごすことにした。
「忙しいね、実陽委員」
ゆかりが茶化すような感じで言ってきた。
「もう!ゆかりまでやめてよー!」
「あはは、ごめんごめん」
いまは授業、昼休み返上で作業をしている。
私達は受験生だけど、最後の文化祭だから自己責任でしてもいいってことになってる。もちろん勉強もしていい。
ただ勉強する人は少ないけれど。
楽しい。ゆかりと。隼人と。駿と。弥生と。みんなと。
終わりたくない。続いてほしい。
この関係を壊したくない。
一番の理由は、弥生と委員会したい。一緒に居たい。
二人で話したい。
そんな私の願いも虚しく、みんなは作業のペースが速く、もうほぼ終わりの状態。
そして一日は終わっていく。