もしも明日もあったなら。

日常.16


後夜祭が終わってから、私達いつものメンバーは中学校の隣にある大きな公園にたむろっていた。

「いやー、良かったよぉ……」

「やだ、ちょっと実陽、何涙目になってるの」

ゆかりがそういって笑ってくる。
でも、ゆかりの恋が実ったのだ。私が涙目なのもしょうがない話。

「ほんっと、ハラハラしたよな~」

駿が溜め息をつきながら苦笑する。

「ははは、人生諦めちゃ駄目だな、いいことは絶対あるし」

「どうしよう。私の目の前にいる隼人って存在を全力でぶん殴りたい気分」

くっそ。自分だけうまくいったからってコノヤロー。

「隼人、良かったな」

眠そうな口調で弥生は言った。

「おぅ、良かったぜ。ただ、ゆかりと二人で戻る時憲由がにやけてきたのがむかついたけどな」

「え、そうなの!?あたし気付かなかったよ!」

「隼人は一生イライラしてろ」

「ちょ、おま、実陽!何でさっきからそんな喧嘩腰なんだよ!!」

当たり前でしょう。私がまだ片想いで悩んでいる最中だと言うのに目の前でのろけやがって。

「次は実陽だな!」


……え。

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