もしも明日もあったなら。

「おはよう、実陽」

ゆかりが登校してきた。

「あ、ゆかり…おはよう」

いつもの変わらないやりとり。
こんなのが明日も続けばいいと思ってる。


「やっぱり隼人と橋本は遅刻なのね、」

そういってゆかりは笑う。
そう。これもいつもの変わらない日常。


キーンコーンカーンコーン…

チャイムが鳴る。

ガラッ

勢いよくドアが開いた。

案の定隼人と弥生だった。
一応チャイムが鳴り終わる前に席についたからセーフだろうか。

弥生は私の隣。
先生があともう残り少ないから自由でいいよって言って弥生は隣にいたわけだ。
気が緩められない。でも嬉しい。
全く。複雑だ。

「おはよう。またギリギリだったね?」

そう言って笑うと、

「おは……笑うなよ~!」

顔を赤くして笑う弥生が愛しくて、高鳴る胸がしばらく煩かった。


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