もしも明日もあったなら。



「ちょっと待って、それって橋本があたしの代わりに実陽を探しに行ってくれるって事?」

「うん。高梨が授業サボってたら不自然だけど俺なら大丈夫だろ?」



なにそれうける。
でもまぁ、なにはともあれ実陽にとって間違いなくいいシチュエーションではある。
しかも最近の橋本の様子はいろいろと気になるところがある。

ここは頼むのがベストな選択なのではないか。
ほんとは私が迎えに行きたかったんだけど…。


「分かった。それなら橋本。実陽の事頼んだ。」

「まかせろ。屋上だよな」

うん、と答えると颯爽と教室から走って行った。



「これは…なかなかいいんでない?」

「ゆかりなかなかやるじゃん」

後ろから声がして、振り向くと隼人と駿がいた。

「いや、この展開はいい事だと思うんだけど、心配なのには変わりないのよね~」

「でもまぁ高梨頑張って抑えたじゃん」

「大好きな実陽の為ですから」

と実陽の事を心の底から心配しつつ、同時に応援もしていた。





まぁ、まさか橋本が聞いてくるなんてね…。

良かったじゃん、実陽。
大丈夫。美雪に何か言われても、あたしが実陽を守ってあげるからね。






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