もしも明日もあったなら。
「あ…ヤバい、そのまま寝ちゃったんだ」
そよっと吹いた風にあたり、気持ちよく目を覚ます。
「あ、気付いた?」
聞き覚えのある、暖かい声に寝ぼけていた頭が一気に冷める。
起きた私の目の前に居たのは、
「えっ、やよ、い?なんで?!」
「おーよかった。白石に呼ばれた後、中々戻ってこないから高梨が飛び出しそうなのを抑えて、おれが来ちゃった」
えへへ、とつきそうな柔らかいほほ笑みを溢す弥生。
改めて私は白石さんに言われた事の無理さを実感する。
弥生とつきあいたい。
私は弥生が好き。ずっと。
それは誰にも邪魔されたくない。いくら白石さんが怖いとはいえども。
きっとなんとかなる。今までみたいに。
しかし、その考えはいとも簡単に壊されてしまう事を私たちはまだ知らない。