もしも明日もあったなら。




あぁ。
あぁ…、あぁもうむかつく。腹が立つ。
あいつと関わるようになってからろくな事が無い。
そもそもゆかりと花咲がいけないんじゃない。
私は悪くないわ。
隼人と別れることになったのも、憲由と別れたのも、全部あいつのせいよ。


だから、花咲、あいつだけは幸せになるのが許せない。
だって本当なら私は今頃幸せの絶頂に居たはずだから。

そのために私、どんな手でも使おうと思っている。



そういえば。


「ねぇ、雨宮君っ」

「なんや~って白石さんやないか~。どないしとん」

「ううん、暇そうだからお話でもしないかなって!」


こんな完璧に女の子を演じてるんだから断るわけないじゃない。
だとしたらだいぶおかしいわよ。



「ふーん」


「え、な、なに?ど、どうしたの」

笑顔。笑顔を絶やさず。


「なんでそんな繕うのやろか~と思ってなぁ?」


…は?何言ってんのこいつ怖い


「実はわし見とるんやよ」


「な…何を?」

「気になる?気になるやろ」

「いいから早くいいなさいよ!!」


あ…やば


「やっと本性出したの~」

「あんたがさっさと言わないからじゃない」

「まぁええわ。自分、実陽ちゃんの事嫌いやろ」

「よく、わかったわね」

「おおかた、実陽ちゃんと橋本がいい感じにしないよう、邪魔せい、ってことやろ?」

「…そこまでわかってるなら話は早いわね」



いい?どんな、どんな手でもいいのよ。


あいつの幸せを崩せれば。

< 163 / 163 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:15

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

カ ク レ オ ニ

総文字数/4,975

ホラー・オカルト11ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop