もしも明日もあったなら。
*
あぁ。
あぁ…、あぁもうむかつく。腹が立つ。
あいつと関わるようになってからろくな事が無い。
そもそもゆかりと花咲がいけないんじゃない。
私は悪くないわ。
隼人と別れることになったのも、憲由と別れたのも、全部あいつのせいよ。
だから、花咲、あいつだけは幸せになるのが許せない。
だって本当なら私は今頃幸せの絶頂に居たはずだから。
そのために私、どんな手でも使おうと思っている。
そういえば。
「ねぇ、雨宮君っ」
「なんや~って白石さんやないか~。どないしとん」
「ううん、暇そうだからお話でもしないかなって!」
こんな完璧に女の子を演じてるんだから断るわけないじゃない。
だとしたらだいぶおかしいわよ。
「ふーん」
「え、な、なに?ど、どうしたの」
笑顔。笑顔を絶やさず。
「なんでそんな繕うのやろか~と思ってなぁ?」
…は?何言ってんのこいつ怖い
「実はわし見とるんやよ」
「な…何を?」
「気になる?気になるやろ」
「いいから早くいいなさいよ!!」
あ…やば
「やっと本性出したの~」
「あんたがさっさと言わないからじゃない」
「まぁええわ。自分、実陽ちゃんの事嫌いやろ」
「よく、わかったわね」
「おおかた、実陽ちゃんと橋本がいい感じにしないよう、邪魔せい、ってことやろ?」
「…そこまでわかってるなら話は早いわね」
いい?どんな、どんな手でもいいのよ。
あいつの幸せを崩せれば。