もしも明日もあったなら。

最初は八組との対決。

試合開始のホイッスルが鳴り、ついに始まる。

ゆかりはFW。
私は自分の希望でMFにしてもらった。

攻めるのもしたいけれど、守りもしなくちゃいけない。だから中間地点でいいか、という考えの果てであった。


先行はこっち。
ゆかりが早速攻め始めて、あっという間に相手のゴールの前へ。

「ゆかりー!決めちゃえー!」

そんな叫びが聞こえたのか、ゆかりは余裕そうにこちらへ笑顔を向けると、ゴールを決めた。

「イェーイ!実陽、入ったよおおお!」

満面の笑みで抱きついてくるゆかり。

「凄いね!さすがゆかりだよ!」

そのまま頑張れ、と言おうとしたら、

「ゆかりー!そのまま勝てよー!!」

という隼人と駿の声にかき消されてしまった。



向こうにボールが渡り試合再開。

と、急に相手がこっちへ攻めてきた。

「え!?」

私は驚きのあまり一瞬混乱状態になってしまった。

「花咲!来てる!!」

その声に我に返れた。
ありがとう。橋本君。

これでも少しはサッカーが得意なんだから…!

と思い、相手に立ち向かった。
なんとかボールを奪う事ができ、ゆかりにボールを渡せた。



「いいぞー!」

と誰かの声が聞こえたけど、人がいっぱいいたから誰かはわからなかった。


そんなこんなで一回戦目は。

「6-1で六組の勝ち!!」

「「よっしゃーー!!」」

なんとか次に進めるようだった。


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