もしも明日もあったなら。

そしてその夜。

私はゆかりとメールをし終わってから勉強をしていた。
そんな時。

ピロンッ♪
と軽快な音が聞こえた。

携帯を見ると、『隼人』と表示されていた。

「すごい久しぶりに見た…」

思わず声に出してしまった。
一体急に何だろう。

来たメールを見てみると、

『暇』

の一文字。何?隼人は私を馬鹿にしているのだろうか。

『そう。で、なに』

『冷たいな』

『そんなことない』

『まぁいいけど。私じゃなくてゆかりにメールすればいいのに…』

『あいつとはもう今日メールしたし』

『ふーん。残メン隼人も友達にはちゃんと連絡するんだね。女子にはしないと思ってた。』

『なんか俺酷い事言われてる…?っていうか残メンってなんだよ』

『残念なイケメン。まさに隼人でしょ?』

『お、イケメンって言ったw』

『調子乗るなよ?ほんと、黙ってればカッコいいのにねぇ』

『誰だよ』

『まぁまぁまぁ』

『まぁいいわ。じゃあな』

『うん、また明日ね』


そうして終えたわけだが、結局何だったんだろうか。

私は携帯のアドレス帳を見た。
いつかここに橋本君の名前が表示されますように。

そんな事を思いながら携帯を閉じた。


それが叶うのはそう遠くない未来なのを私は知らない。

< 29 / 163 >

この作品をシェア

pagetop