もしも明日もあったなら。

ガラッ

「ふぅ...」
大して疲れたわけでもないのにため息というものはでてしまう。
私の席は運をフルに使った結果、窓側の一番後ろという奇跡的な位置だ。

支度を終え朝練をしている集団に目をやる。

「あ...見つけた」



私が目をやった先にはサッカー部が朝のミーティングをしている最中だった。
サラッとしていて少し癖のある明るめの髪でいつも眠そうにしている人。
そんな猫みたいな人こそ『橋本弥生』私の好きな人。

キーンコーンカーンコーン...キーンコーンカーンコーン

朝練終了のチャイムが鳴る。

バタバタバタバタバタッ

この豪快に走ってくる音の主は、

「みーーーよーーー!!!!!!!おっはよーう!」

親友の『高梨ゆかり』。陸上部所属。
常に元気でテンションが高く、友達が多い子で、そして私が橋本君が好きだというのを知っている人の一人。

「ゆかりおはよう」

「ねぇ、今日数学の小テストあるって知ってた?」

「げっ、嘘でしょ~...」

「まじ榊先生ないよな!」

「あの人抜き打ち大好きだもんね」

そんな他愛もない会話して本鈴がなるまでを過ごす。
これもいつものこと。


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