もしも明日もあったなら。

日常.4


「さて!今日はみんなが待ちに待った席替えだぞー!!」

担任の楠先生は朝からテンションマックスだった。

「楠、やけにはりきってんな」

隼人が小さく話しかけてきた。

「はは、そうだね」

それには同感するしかなかった。

「お前はもちろんアイツだろ?」

アイツ、と言って隼人が目をやった先には橋本君がいた。

「そ、それはもちろんそうだけど…」

「顔赤いぞ~」

「うっさい」

「実陽、くじ引いてー」

前の子からくじ箱が回されてきた。

「あ、ごめん!」

急いで受け取り、ちょっと悩んでから引いて、後ろに回した。


「うっわぁ…」

思わず声が出てしまった。

「み、実陽?どしたの?」

「次の席…今の席の一個前だ…変わらない……」

まぁ、また窓だからいいんだけどな。

「あ!!」

今度はゆかりが声をあげた。

「どうしたの?」

「実陽!よく見たらあたしら前後じゃん!」

「えっ、本当だ!」

「「やったぁぁぁ!」」

「おい、高梨、花咲うっさいぞ」

はしゃぎすぎて先生に怒られてしまった。

「「すみませーん」」

ゆかりと一緒だなんて…!
すっごくいい席だ!!

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