もしも明日もあったなら。

ばっと隼人の方向を見ると。
隼人は怒りのせいか、顔を真っ赤にしていた。

「おい、どうした」

駿が間に入っていった。

「どうしたもこうしたもねぇよ!」

会話にならないので橋本君が通訳をした。

「なんか、こいつが塾の帰りに白石さんが憲由と一緒に手繋いで帰ってるのを見たんだってよ」

私とゆかりはハッとして顔を見合わせた。
そのあとすぐにゆかりは隼人に、

「だからあたし言ったでしょ?性格ブスだからやめろって」

「俺ちょっとあいつのとこ行ってくる!!」

「ちょっと待って、あたしも行く」

「ゆかり?何でお前が」

「あたしがいた方がいいこともあるかもよ」

「よし、別にいいぞ」

そうして二人は教室を飛び出した。

私は一人でオロオロしてしまっていた。
どうしよう…。

「あいつら、なんだかんだいって仲いいよな」

橋本君がいつのまにか前に居た。

「え、うん。そうだね…」

「…」

そのあと黙ってしまった橋本君の横顔はどこか寂しそうだった。



もしかして…、そんな悪い考えが頭をよぎった。






『もしかして、橋本君は、ゆかりが、好きなのかな……』



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