もしも明日もあったなら。
「おい、白石!」
隼人はつくなり大声で美雪を呼んだ。
まったく…うっさいな。
美雪は一瞬嬉しそうな顔をして手を振ったが、あたしの顔を見るなり嫌そうな顔にかわった。
「なーにぃ、隼人君」
あたしはガン無視かい。
ま。いいけどさ。
そうして隼人は美雪を廊下奥へと呼んだ。
その間にあたしは憲由を呼んだ。
「憲由~」
「なんだよ」
「あいかわらず性格悪そうね」
「なんだそれ」
「まぁ、どうでもいいけどさ、憲由美雪と付き合ってんでしょ?」
「あぁ。なんか今隼人が連れてったけど…大丈夫か?」
「憲由の方こそ大丈夫?」
あたしは本気で心配だった。
「…どういうことだよ」
「ん?だから、『美雪をそんなに信じちゃって大丈夫?」』って意味だけど」
「今頃美雪は問い詰められてるだろうね~」
察しの良い憲由はすぐ理解したようだ。
これだから憲由とは話しやすくて助かる。