もしも明日もあったなら。

「まじかよ…」

「隼人もさっき気付いてたらしいけど。なーんでみんな騙されちゃうのかな」

「おまえ、優しかったんだな」

「なにそれ酷い」

なんだこいつ。

「だってもう…、友達が騙されるのは勘弁だし」

心からの本音を漏らした。

「…?どういうことだ?」

「なんもないよっ!さ、実陽のとこいかなきゃ!心配してるだろうし」

じゃあね、といって帰ろうとしたら、憲由に急に止められた。

「お前…ゆかりも我慢はしないほうがいいぞ」


驚いた。そこまで気づいたんだ。

「あたしは向こうから来るのを待つ派だからっ」

「…そうか」


あたしから好きな人に告白したりはしないんだ。
だから、待ってるよ。

早く気づいてね。

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